【野球】50本塁打・50盗塁(50−50)の歴代達成者とその難しさ
野球界に新たな歴史を刻んだ「50-50」。
この偉業は、1シーズンで50本塁打と50盗塁を達成するという、かつては不可能と思われていた記録です。
2024年9月20日、大谷翔平選手がメジャーリーグで初めてこの壁を突破し、世界中を驚かせました。
このニュースを見て改めて大谷翔平選手の偉大さを感じたと同時に「過去に達成した人はいなかったのか」、「日本のプロ野球で達成した人はいないのか」といった疑問が生まれたのではないでしょうか。
この記事では、野球経験歴25年以上のあかねが大谷選手が50−50を達成した際に皆さんがおそらく疑問に思ったであろう、上記のことについて紹介したいと思います。
この記事を読むと「50ー50達成の難しさ」や「なぜ日本では達成者がいないのか」を、現代のプロ野球事情と合わせて理解することができます。
結論、50−50を達成したのは、今までで大谷翔平選手ただ一人です。そして日本のプロ野球界では、50−50はおろか、40−40(40本塁打、40盗塁)の達成者すらいません。
その理由を調べてみると日本プロ野球とメジャーリーグの環境の違いが関係していることがわかりました。
- 50-50の達成者を知りたい
- そもそも40-40の達成者は誰なのか知りたい
- 日本では達成した選手はいるのか知りたい
- なぜ日本では達成が難しいのかを知りたい
50−50(フィフティフィフティ)とは
50−50(フィフティ・フィフティ)とは、ペナントレース等の野球公式戦1シーズンで、50本塁打と50盗塁を同時に達成することを言います。
達成させるためには、本塁打を打つための長打力と、盗塁をするための走力が必要になります。 ホームランを多く打つ選手は、ボールを遠くに飛ばすために、スイングスピードを早くする必要があるため、分かりやすく言うと山川穂高選手、中村剛也選手などの身体が大きい選手、体重が重い選手が多いです。
一方盗塁をするためには、走塁技術も必要ですが、大前提として、足が早くなくてはいけません。 そのため、盗塁数が多い選手は周東佑京選手や和田康士朗選手といった比較的小柄な選手になります。
50−50を達成させるためには本塁打を打つ能力、盗塁をする能力両方をかなり高いレベルで持つ必要があり、今回大谷翔平選手が達成するまで、日本プロ野球はおろか、野球最高峰のメジャーリーグでも達成した選手はいませんでした。
40−40(フォーティフォーティ)の達成者
50−50をメジャーリーグで初めて達成した大谷翔平選手。では、これまでに40−40を達成した選手はいたのでしょうか。
メジャーリーグには「40−40クラブ」という言葉があります。 これは、過去に40本塁打、40盗塁を達成した選手の集団を指すもので、大谷翔平選手を含め、これまでに6名の選手が達成しています。
年 | 選手 | 所属 | 本塁打 | 盗塁 |
1988 | ホセ・カンセコ | オークランド・アスレチックス | 42 | 40 |
1996 | バリー・ボンズ | サンフランシスコ・ジャイアンツ | 42 | 40 |
1998 | アレックス・ロドリゲス | シアトル・マリナーズ | 42 | 46 |
2006 | アルフォンソ・ソリアーノ | ワシントン・ナショナルズ | 46 | 41 |
2023 | ロナルド・アクーニャ・ジュニア | アトランタ・ブレーブス | 41 | 73 |
2024 | 大谷翔平 | ロサンゼルス・ドジャース | 54 | 59 |
今までで50−50に近かった選手は アレックス・ロドリゲス選手(42本塁打46盗塁)アルフォンソ・ソリアーノ選手(46本塁打41盗塁)の2名ですが、それでも本塁打、または盗塁が50に大幅に足りませんね。
日本プロ野球での達成者はいるのか
日本のプロ野球が発足してから今日まで、50−50はおろか、40−40を達成した選手はいません。
調べてみたところ、日本のプロ野球でシーズン40本塁打を打っている選手のうち、20盗塁以上を記録しているのは、以下の選手でした。
年 | 選手 | 所属 | 本塁打 | 盗塁 |
---|---|---|---|---|
1950 | 小鶴 誠 | 松竹 | 51 | 28 |
1977 | 山本 浩二 | 広島 | 44 | 22 |
1987 | 秋山 幸二 | 西武 | 43 | 38 |
1986 | 秋山 幸二 | 西武 | 41 | 21 |
1969 | 長池 徳二 | 阪急 | 41 | 21 |
本塁打50本以上で20盗塁以上は小鶴選手ただ一人。
1987年の秋山選手が40−40まであと一歩と非常に惜しかったですね。
また、盗塁数が50盗塁以上で、一番本塁打を打っていたのは、秋山幸二選手(1990年、35本塁打51盗塁)でした。
なぜ日本プロ野球は達成者がいないのか
日本のプロ野球はなぜ50−50はおろか、40−40すら達成者がいないのでしょうか。
理由としては以下の3点が上がるのではないでしょうか 。
- 試合数の違い
- 投手のレベルや戦術の違い
- パワーとスピードの両立の難しさ
試合数の違い(日本プロ野球は143試合、MLBは162試合)
日本プロ野球はメジャーリーグに比べ、20試合も少ないため、そもそも両方の達成が難しいのかもしれません。
投手のレベルや戦術の違い
令和6年のシーズンもそうですが、日本プロ野球は投手のレベルが上がり、いわゆる「投高打低(投手の防御率が高く、打者の打率、本塁打数等が低い)」の状態が続いており、今シーズンも30本塁打を超える選手は両リーグで9月21日現在山川選手、村上選手の2名しかいません。
また、バントや進塁打などの戦術も多用するため、打て打て!のメジャーリーグほど本塁打が出ないのかもしれません。
パワーとスピードの両立の難しさ
上記「50−50とは」でも紹介したとおり、本塁打向けの筋肉を鍛えると、スピード向けの筋肉に支障が出るように、両方を高いレベルで兼ね備えることは非常に難しいと言えます。
まとめ
今回は大谷翔平選手の50−50達成を機に50−50についてや、40−40の達成者、日本のプロ野球ではなぜ50−50はおろか、40−40すら達成者がいないのかを紹介しました。
50−50(フィフティフィフティ)とは
- 野球公式戦1シーズンで、50本塁打と50盗塁を同時に達成すること
- 大谷翔平選手が達成するまで、日本プロ野球はおろか、野球最高峰のメジャーリーグでも達成した選手はいなかった
40−40(フォーティフォーティ)の達成者
- メジャーリーグには大谷翔平選手を含め過去に6人が達成
- 過去の達成者は50−50には遠い数字
日本プロ野球での達成者はいるのか
- プロ野球が発足したから今日まで、50−50はおろか、40−40を達成した選手はいない
- 今まで一番近かった選手は 小鶴誠選手と秋山幸二選手
なぜ日本プロ野球は達成者がいないのか
- 試合数の違い(日本プロ野球は143試合、MLBは162試合)
- 投手のレベルや戦術の違い
- パワーとスピードの両立の難しさ
50−50を達成した日の大谷翔平選手の戦績は6打数6安打3本塁打2盗塁10打点。その後すぐに51−51を達成し、レギュラーシーズン終了時には、54−54まで数字を伸ばしました。
ゲームや漫画みたいな現実離れした数字ですね。